一時期温かかったですが冬本番の寒さになり、いよいよ年の瀬ですね。
きっかけがあって美術解剖学という言葉を知ることができて1年たちました。2018年は過ぎてみれば、美術(特に彫刻)からとても多くのことを教えて頂いた年となりました。
大人になってもこんな風に感じ方や見方が変えられるのだなぁと、嬉しくなることが多々ありました。感動というとどうも安っぽくもなってしまいますが、深く感動しました。
それが自分の体や音に繋がる変化も起こせました。広げにくかった右手の母子がかなり開きやすくなり、ほくほくです。
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そんなこの1年の変化を実感することが、「天游」という本からありました。
江戸時代の蘭学者で、緒方洪庵の師である中天游を主人公とする歴史小説です。
(『天游―蘭学の架け橋となった男』 中川なをみ、くもん出版、2011年)
その中で、天游の従兄弟、中伊三郎が出てきました。
独学で銅版画を学び、「パルヘイン解剖図譜」、「重訂解体新書銅版全図」を描いたとのこと。読むとその銅版画が見たくなり、インターネットで見て、自分の想像を遥かに超える絵に感嘆しました。
解体新書くらいしか浮かばない私ですので、とても勉強になり、黎明期の熱に触れることができました。
単に歴史小説を読む目的で手に取った本でしたので、思わぬ解剖学との繋がりが嬉しく、また、1年前の自分ではその絵の尊さが分からなかったし、こんな風に観ることもできなかっただろうなと思うと、散らばる知識が繋がるのも嬉しかったです。
児童書ですが、私にはとても勉強になりました。丁寧に、深く研究されているのだろうと想像されます。この本を読んで感銘を受けた小学生や中学生がいるのだと想像すると、わくわくします。
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